３月１４日、教皇フランシスコ初説教

こちらの、カトリック中央協議会からの翻訳が正式です。ご覧ください→http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/francis/msg0002.htm

朝日新聞デジタルによる記事：http://www.asahi.com/international/update/0315/TKY201303150073.html?ref=reca

教皇説教3月14日

今日のこの三つの朗読には、共通のことが見受けられます。それは『動き』です。第一朗読にある動きは、道にあり、第二朗読では動きは、教会を建てることで、第三、つまり福音朗読では動きは、信仰告白にあります。歩くこと、建てること、信仰告白すること。

歩くこと：「ヤコブの家よ、来て、主の光のなかを歩もう。」これを神が最初に言ったのは、アブラハムに対してでした。わたしの現存のうちに歩み、非のうちどころのない者になりなさい。非のうちどころのない者に。歩くこと。わたしたちの人生は一つの道です。止まる時には、物事はどうにもなりません。歩くこと、いつも、主の現存のうちに、主の光に向かって、神がアブラハムにその約束において求めていた、非のうちどころのない生き方をもって。

建てること：教会を建てることですが、ここでは石たちについて語られています。石と言えば、この石たちには中身があります。けれど聖霊の注ぎを受けた、生きた石たちです。教会を建設する、キリストの妻を、この要石、つまり主ご自身の上に建設する、ということです。これがわたしたちの人生のなかでのもう一つの動きです。建てること

そして三つ目は、信仰告白すること：歩きたいように歩くことができるし、たくさんのことを建設することもできますが、もしイエス・キリストを告白しないならば、物事は何ともならないのです。わたしたちは信心深いＮＧＯにはなりますが、教会、キリストの妻にはならないのです。歩かないときには、止まっています。石をもって建設しない時には、どうなるでしょう？砂浜で起こること、子供たちが砂のお城を造ると、すべて崩れ、何の中身も残らない、そういうことが起こるのです。イエス・キリストを告白しないなら、あのレオン・ブロアの言葉が脳裏に浮かびますが、「キリストのことを語らないならば、悪魔のことを語る」ことになるのです。イエス・キリストを告白しないなら、悪魔の俗っぽさ、悪霊の俗っぽさを語ることになってしまうのです！

歩くこと、建てることもしくは建設すること、信仰告白すること：けれど、物事はそれほど容易ではありません。なぜなら歩き、建て、告白する際に、道の動きにふさわしくない動きがあるからです。それは、わたしたちを後ろに引きずろうとする動きです。この福音朗読は特別な状況に続きます。キリストを告白したペトロ自身が、「あなたはメシア（キリスト）、生ける神の子です、あなたについて行きます」と言ったペトロが、十字架について語られると、このことは受け入れられない。従うけれど、十字架のない別の可能性には従う、と。十字架なしで歩くとき、十字架なしで建てる時、そして十字架のないキリストのことを告白する時、わたしたちは主の弟子にはなりません、わたしたちは俗っぽい者になりなす。わたしたちは司教、司祭、枢機卿、教皇かもしれませんが、主の弟子ではないのです。

わたしは全員が、この恵みの日々の後に、主の現存のなかを、主の十字架をもって歩く勇気、主の御血の上に、十字架上で流されたその御血の上に教会を建てる勇気、唯一の栄光である十字架につけられたキリストを告白する勇気をもつことができればと望んでいます。そうしてはじめて、教会は前に進んでいくのです。わたしたち全員のために、聖霊が、わたしたちの母である聖母の祈りによってこの恵み、十字架に架けられたイエスキリストに向かって歩き、これを立て、これを告白する恵みを与えてくださいますように。アーメン。