3月15日10時31分
何かの冗談だと思った。ローマのイエズス会総本部の若い門番は、まさか教皇フランシスコからの電話がかかってくるとは思っていなかった。教皇は忍耐と愛情をもって、イエズス会の総長と話して夕の祈りのときに送られた美しい手紙への感謝を述べるために、自分がだれであるかを納得させなければならなかった。
クラウディオ・バリーガ神父の語りによると、今日のローマ時間10時15分のことであった。期待していなかった電話のおかげで緊張度の高い時間がローマの家で流れ、この時のことが電子メールで世界じゅうのイエズス会の共同体とその友人たちに出回った。
「門番は電話に出ました。サンタ・マルタから書けていると言い、その声はやさしく落ち着いていて、Buon Giorno, sono il Papa Francesco, vorrei parlare con il Padre
Generale.(おはよう。わたしは教皇フランシスコです。総長と話したいのですが)と言ったのです。」
「門番は思わず『ならわたしはナポレオンです』と応えようとしたけれど、何とかこらえたそうです。そこで乾いた声で、「どちらさまからですか?」と答えました。教皇は若いイタリア人門番が自分のことを信じていないことを理解し、やさしく繰り返しました。『いや、本当に、わたしは教皇フランシスコなんです。あなたは何という名前ですか?』」
「教皇選出のときから、わたしたちの家の電話は二分おきに鳴りっぱなしで、常軌を逸したような人までもが賭けてきていたのです』とバリーガ神父は指摘する。
「この段階に来ると、門番は口ごもった声になりました。自分の間違いに気付き、もう少しで失神しそうでした。『わたしはアンドレス』です。教皇:『元気かい、アンドレス?』返答:『元気です。すみません、少し混乱していました』。教皇は「心配しないで。総長に取り次いでくれませんか。わたしに書いてくれた美しい手紙のことで感謝したいのです』と言った。門番:『申し訳ありません、教皇様、すぐに取り次ぎます』。教皇:『いや、問題ありませんよ。ちゃんと待ちますよ。』」
若い門番のアンドレスは、アドルフォ・ニコラス神父の個人秘書であるアルフォンソ修士に渡し、次のような会話になりました。
アルフォンソ:もしもし?
教皇フランシスコ:誰と話しているんでしょうか?
アルフォンソ:わたしはアルフォンソ、総長の個人秘書です。
教皇フランシスコ:わたしは教皇です。わたしに送ってくれた素敵な手紙のことでお礼を言うために、総長に挨拶をしたいのですが。
アルフォンソ:はい、少々お待ちください。
イタリア語でなされたこの対話の後、アルフォンソは「不審に満ちながら隣の部屋の総長の事務所に」向かった。「会話は続いた。『教皇様、選出おめでとうございます。わたしたちはこの任命でとても喜んでいて、あなたのためにたくさん祈っているんですよ』」
「祈るって、わたしが前に行くためか、それとも後ろにひっくり返るためか?」と教皇ジョーク。
「当然、前に行くためですよ」アルフォンソは歩きながら答える。教皇は自然な笑いで答える。
「その印象に当惑しながら、扉をたたきもせずにブラザーは総長事務所に入り、驚いている総長に向かって電話の子機を持った手を伸ばし、その目を見つめながら総長に言いました。『教皇です』」
「この後に続いたことに関して詳しいことは分りませんが、教皇は懇切丁寧に総長に対してその手紙のことで礼を言いました。総長は挨拶するために会いたいと望んでいる旨を告げました。教皇はこれに対して自分の秘書にこれができるだけ早くできるように指示を出し、バチカンが彼に連絡するだろうと答えました」バリーガ神父はこう結んだ。
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