2013年6月18日火曜日

G8、イギリス首相に宛てて:人間の尊厳、国際平和、および正義が政治経済の中心にあるように

バチカン、6月17に11時58分



 「経済と政治の目的はより弱い人々に始まり、人類に奉仕することにある」とローマ司教は、北アイルランドのラフ・エルネでこの月曜日と火曜日に世界で最も産業化の進んだ国々が集まるG8の締めくくりを機に、英国の首相デイヴィッド・キャメロンから送られた手紙に応えて繰り返した。パパは政治経済の関心の上にいつもあるべき人間にふさわしい場を返す「勇気ある変化」を促している。なぜならこうしたものは金銭を含め、奉仕するためにあるのであって、統治するためにあるわけではないからである。

 「あらゆる政治経済活動は、国内外において、人のことを扱うことを確立すべきである」ことを強調しながら、教父は、連帯の原理に基づいて、より貧しい人々への特別な援助をしながら、飢餓の鞭打ちを決定的に排除し、食料の安定を保障するための努力をするようにと促し、政府の責任について語った。そして人間への援助のしるしとして、たとえ政治的な上記の活動すべての発展のために不可欠の文脈や国際平和の発展を忘れてはならないが、女性や子供たちを対立における性的暴力から守ることを特記した。

 深刻な国際危機を前に、G8の議論で通用しているテーマでは、今年は、中東の状況、特にシリアの状況への意識を考慮に入れずにはいられない。パパ・フランシスコはこの頂点が即座で継続的な解放を獲得し、対立にある全地域で調停のテーブルへと向かう助けとなるようにとの深い望みを表明した。

 平和は将来への展望をもってある種の訴えを拒むよう強いる。それはより公平かつ公正な平和を共にうち立てるためである。さらに、平和は女性や子供、罪なき犠牲者すべてを守るための本質的な前提条件なのである。

 現在の世界規模の危機は、倫理は何か経済の外側にあるものではなく、経済的思考と経済活動の統合的かつ不可欠な要素であることを示している、とパパ・フランシスコはその前任者である愛すべきベネディクト十六世の言葉を思い返しながら書いている。

 経済や政治が、「より貧しい人々や母の胎内までをも含めて出会いうる最も傷つきやすい所から始めて」人類に奉仕するというその約束を果たすよう励ましつつ、教父は地球上の住民一人ひとりがその尊厳と自由をもって、家族を維持し、子供たちを教育し、神に祈り、人間独自の可能性を発展させる可能性をもって生きることを可能にする最低限の安定した生活を推進する重要性を思い起こさせる。

 金銭や他の政治経済的手段は奉仕に用いられるべきであり、統治のためではない。そのために無償で損得を勘定に入れない連帯は、表面的にはパラドックスのような形であるが、グローバル経済のよい働きのための要であるということを考慮に入れるべきである。このようにパパ・フランシスコは、人を、一人ひとりの男女を国内また国際政治経済活動すべての中心に据えることの活力ある重要性を思い返させている。なぜなら人こそが政治経済のより神聖な、またより深い資源であると同時に、双方の優先的な目標だからである。
(CdM RV)

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