2014年3月4日火曜日

2月25日(火)、世界中の家族宛ての手紙





愛する家族の皆さん、

 わたしは皆さんの家の戸口に立って、ご存知のように、次の10月にあるイベントについて語ろうと思います。つまり、「福音化の文脈での家族の司牧挑戦」というテーマを扱うために召集された、司教シノドスの特別総会のことです。今日の教会は、家族に関係した新しい司牧の非常事態にも直面しながら福音を宣べ伝えるように呼ばれているからです。

 この当座の集会は神の民全体にとって重要なものです。つまり、司教団、司祭団、奉献生活者、全世界の地方教会で具体的なオプションと祈りによる欠かせない支えをもって活発に参与している信徒の皆さん、全体のことです。祈りによる支えは、愛する家族の皆さん、特に皆さんの側からの必要で重要な支えです。

 このシノドス総会は特別な仕方で皆さんのため、教会と社会における皆さんの召し出しと使命のため、夫婦家庭生活子どもたちの教育の問題のため、そして教会の宣教使命における家族の務めのために捧げられています。そういうわけですから、皆さんには、シノドス教父の皆さんを聖霊が照らし、その重大な責任において彼らを導いてくださるように、聖霊にしつこく呼びかけていただきたいのです。

 ご存知の通り、このシノドス特別総会は、その一年後の、同じ家族のテーマを扱う定例総会に引き継がれます。そして、この文脈で、2015年9月にフィラデルフィアで世界家族の集いが開催されることになっています。ですので、この発案を通して、教会がほんものの識別の道を実現し、福音からもたらされる光と力をもって現実の挑戦に立ち向かうように家族を助けるための、ふさわしい司牧のメディアにシフトアップできるように、一丸となって祈りましょう。

 この手紙を、イエスの神殿での奉献の祝日を祝っている今日、皆さんに書いています。ルカ福音書の中で、おとめマリアと聖ヨセフが、モーセの律法に従って、主をささげるために神殿に幼子を連れて行き、二人の老人であるシメオンとアンナが、聖霊にうながされて、幼子との出会いに赴き、イエスのうちにメシア(キリスト、救い主)を認めた情景を見ます。シメオンは幼子を腕に抱き、神に感謝をささげました。というのはついに救いを「見た」からです。アンナは、その高齢にもかかわらず、新たな力を得、全員に幼子について語り始めました。本当にイエスは異なる世代の人々が出会い、一つになるようにしてくださるのです!イエスこそ、あらゆる利己主義、あらゆる孤独、あらゆる悲しみに打ち勝つその愛の涸れることのない泉なのです。

 その家族の歩みの中で、皆さんは忘れられない瞬間というのをたくさん分かち合っています。食卓、休憩時間、家事、娯楽、祈り、遠出、巡礼、困っている人たちとの連帯…。にもかかわらず、愛が欠けていれば、喜びが欠けていれば、イエスがわたしたちに下さる本物の愛が欠けていれば、どうでしょう。イエスはわたしたちの歩みを照らすそのみことばを差し出し、日々の空腹においてわたしたちを支えてくださるいのちのパンを下さるのです。

 愛する家族の皆さん、皆さんの司教シノドスのための祈りは、教会を豊かにする尊い宝となります。そのことに感謝します。そしてお願いです。わたしのためにも祈ってください。そうして真理と愛徳のうちに神の民に伝えることができますように。幸いなるおとめマリアと聖ヨセフのご保護がいつも皆さんと共にあり、愛と相互の奉仕のうちに一つになって歩むことができるようにしてくださいますように。心からそれぞれの家族の上に主の祝福を求めて祈ります。
教皇フランシスコ

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