2013年12月26日木曜日

12月25日(水)、『Urbi et Orbi(ローマと全世界へ)』のメッセージ:平和の願いを自分たちのものにしましょう



 12月25日水曜日の正午きっかりに、ローマ司教はサン・ピエトロ大聖堂の中央バルコニー(祝福のバルコニーとして知られているところ)から首を出し、全世界に向けて挨拶をし、祝福をした。「今日、救い主、メシアである主がお生まれになりました」とフランシスコは宣言した。「ベツレヘムの幼子の前を何もせずに通り過ぎることのないようにしましょう。わたしたちの心が動かされ、神の温もりによって燃え立たせてもらえますように。わたしたちはその愛に満ちた可愛がる行為を必要としているのです。神の愛は偉大です。神に世々にいたるまで栄光があるように」。地球という惑星の様々なところでの実際の対立を思い返しながら、パパは神がわたしたちの平和であることを強く訴えた。「わたしたちの生活において、わたしたちの家族において、わたしたちの町の中で、国の中で、全世界でその平和を日々建設するのにわたしたちを助けてくださるように願いましょう。神の善意によって感動させられるようにしましょう」。すべての人に幸せな降誕祭を願いながら、教皇は、わたしたちのためにこの世に来られたイエスが、病気や苦悩の試練の時を過ごしている人々を慰め、より窮乏にある兄弟たちのための奉仕を捧げている人々を支えてくださるようにと祈った。

パパ・フランシスコによるUrbi et Orbi(ローマと全世界へ)のメッセージ全文

「天のいと高き所には神に栄光
地には平和、神が愛する人々に」(ルカ2章14節)。 

ローマと全世界の愛する兄弟姉妹の皆さん、降誕祭おめでとう!

 降誕の夜にベツレヘムの羊飼いたちに現われた天使たちの歌のことばをわたしのものとします。天に賛美と栄光をささげ、人々のいる地に平和の望みをもってあいさつをします。

 この歌を自分のものとするように、皆さん全員を招きます。これは夜の間目覚めている男女一人ひとりの歌です。よりよい世界を待ち望む人、他者のことを心配し謙虚に自分のなすべきことをしようと努める人、一人ひとりの歌です。

 神に栄光。
 降誕祭はまずこのことにわたしたちを招きます。神に栄光を捧げることです。なぜなら神は良い方、忠実な方、あわれみ深い方だからです。この日、わたしの願いはすべての人が神の本当の顔つきを知ることができるように、というものです。その神はわたしたちにイエスを下さったお父さんなのです。わたしは、すべての人が神を近くに感じ、その現存の中にいることを感じ、神を愛し、神を礼拝することができれば、と望んでいます。

 そしてわたしたち全員が、特に、生き方をもって、神への愛と兄弟姉妹たちへの愛に捧げられた生き方をもって神に栄光を捧げますように。

 人々に平和。
 本当の平和は対立する力との平衡状態ではありません。喧嘩や分裂を隠すただの「見せかけ」ではありません。平和とは日々の献身です。神の賜物やイエス・キリストがわたしたちに下さった恵みを当てにしながら達成されるものです。
 ベツレヘムの幼子を見ながら、戦争のもっとも傷つきやすい犠牲者である子どもたちのことを考えましょう。けれどまた、お年寄りやひどい扱いを受けている女性たち、病人などのことをも考えましょう。戦争はあまりに多くの命を滅茶苦茶にし、あまりに多くの苦しみを生み出しています!

 最近シリアの対立ではあまりに、ひどく多くの命が滅茶苦茶にされ、憎しみと復讐を生み出しています。愛すべきシリアの民がこれ以上の苦しみから解放され、対立している人々が暴力に終止符を打ち、人道支援への通過口を保証するように、主に祈り続けましょう。祈りの力を確認することをしてきました。そして今日、異なる宗教的信仰告白をしている信者たちがシリアにおける平和のためにわたしたちの祈りと心を一つにしてくれていることは喜ばしいことです。祈りの力を決して失わないようにしましょう。神にこう言うための力です。主よ、シリアと全世界にあなたの平和をもたらしてください、と。

 しばしば人々から忘れられている、中央アフリカ共和国に平和をもたらしてください。けれど主よ、あなたは誰のことをも忘れません。多くの人々が屋根も水も食べ物もなく、生存最低条件をも満たせずにいる、暴力と悲惨な状態のらせんによって苦悩を余儀なくされているあの地にも平和が支配することをあなたはお望みです。南スーダンにおける和平を確かなものとしてください。実際の緊張がすでに犠牲者を生み出し、この若い国での平和共生を脅かしているからです。

 平和の王子(君)よ、武器を手放し、対話の歩みを始めるために互いに出会う場である、暴力的な人々の心を回心させてください。ナイジェリアを寝ずに見守ってください。無垢なものも無防備なものをも尊重しない暴力が続けられることでずたずたに引き裂かれています。世に来るために選ばれた地を祝福し、イスラエル人とパレスチナ人の間の平和交渉がよい結末を迎えられるようにしてください。まだ頻繁なテロによって鞭打たれている愛すべきイラクの地の傷をいやしてください。

 いのちの主よ、あなたの名のせいで迫害に苦しむ人々を守ってください。移民や難民、特にアフリカの角(訳者注:アフリカ大陸東端のソマリア全域とエチオピアの一部などを占める半島。 ウィキペディアより)と、今後民主共和国の移民難民を励まし慰めてください。移民の皆さんが、尊厳ある生き方を探し求め、受容と援助を見出すことができるようにしてください。ランペドゥーサにおける数多くの死者を含め、今年見てきたような悲劇を新たに体験することがありませんように。

 ベツレヘムの幼子よ、人身売買に携わっている人々の心に触れてください。この人類に対する犯罪の重大さに気付きますように。武力対立において誘拐された子どもたち、傷つけられた子どもたち、殺された子どもたち、そしてそのよう時期が奪われて強制的に兵隊にされる子どもたちにあなたの眼差しを向けてください。

 天と地の主よ、わたしたちのいる惑星、地球をご覧ください。人々の貪欲と利己主義が無差別に搾取をしています。自然災害の犠牲者、特に最近の台風でひどい被害をこうむった愛するフィリピンの国に留まり、守ってください。

 愛する兄弟姉妹の皆さん、この世において、この人類において、今日、救い主、メシア、主が生まれました。ベツレヘムの幼子の前を何もせずに通り過ぎることのないようにしましょう。わたしたちの心が動かされ、神の温もりによって燃え立たせてもらえますように。わたしたちはその愛に満ちた可愛がる行為を必要としているのです。神の愛は偉大です。神に世々にいたるまで栄光があるように。神はわたしたちの平和です。わたしたちの生活において、わたしたちの家族において、わたしたちの町の中で、国の中で、全世界でその平和を日々建設するのにわたしたちを助けてくださるように願いましょう。神の善意によって感動させられるようにしましょう。

パパ・フランシスコの降誕祭のあいさつ

 全世界のあらゆるところからこの広場にやって来た愛する兄弟姉妹の皆さん、皆さん全員に、そしてソーシャル・コミュニケーションを通してわたしたちと一つになっている諸国の人々に、よいクリスマスを祈ります。この日、ベツレヘムの質素なほら穴から出る福音の希望に照らされて、皆さん全員に、子どもたちに、お年寄りに、青年たちに、家族に、貧しい人たちに、疎外されている人たちに、降誕祭の賜物である喜びと平和があるようにと願います。わたしたちのためにこの世に来られたイエスが、病気や苦悩の試練の時を過ごしている人々を慰め、より窮乏にある兄弟たちのための奉仕を捧げている人々を支えてくださいますように。
(RC-RV)

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