2013年11月27日水曜日

「福音を宣べ伝える喜びが奪われないようにしましょう!」 最初の使徒的勧告「福音の喜び」


 「希望が奪われないようにしましょう!」教皇の言葉を思い出しながら、聖座新宣教推進委員会の議長であるフィジケッラ卿はこう付けくわえた。「この使徒的勧告から聞こえるのは、はっきりとした、直接の、修辞も口実もない言葉づかいです」。パパ・フランシスコの最初の使徒的勧告は計画と勧めに満ちた文書で、その中心は、普遍的性格を伴う、境界なき宣教の性質であると司教団シノドスの総秘書は強調した。聖座ソーシャル・コミュニケーション委員会の議長は、教皇着座以来行われてきているその穏やかで心のこもった、直接的な言葉づかいが「いつもあった真理を、これがいつでもニュースであることに注意を払うことを可能にする言葉づかいで表現される」ように励ましていることを強調した。

 「福音の喜びは心を満たし、イエスと出会った人々のいのち全体を満たします」。このように使徒的勧告『エヴァンジェリイ・ガウディウム(福音の喜び)』 は始まる。そこでパパ・フランシスコは、2012年10月7日から28日までの間に催された「信仰伝達のための新しい福音宣教」にささげられたシノドスの作業の豊かさを拾い上げている。

 フランシスコは書く。「キリストに従う信者の皆さんにことばを向け、その喜びによって刻まれた福音宣教の新しい段階に招き、これからの数年の間に教会が更新して行くための道を示したいと思います」(1)。洗礼を受けたすべての人に対する強烈な呼びかけであるが、改めて燃える心で、ダイナミックに、「宣教の状態を持続させながら」(25)他の人たちにイエスの愛を運び、「今の世の中の大きな危険」つまり「個人主義に走った悲しみ」に落ち込むという危険に打ち勝つようにと強く呼びかけているのである。

 パパ・フランシスコの最初の使徒的勧告の紹介は、この火曜日の朝11時半にローマ聖庁報道事務局で行われたのだが、そこで聖座新宣教推進委員会議長のリノ・フィジケッラ卿と、司教シノドス総秘書のロレンツォ・バルディッセーリ卿、聖座ソーシャル・コミュニケーション委員会議長のクラウディオ・マリア・チェッリ卿への記者会見が行われた。「福音宣教の喜びが奪われないようにしましょう!」(83)。フィジケッラ卿はこのパパ・フランシスコのことばを思い返し、加えて「この使徒的勧告から聞こえるのは、はっきりとした、直接の、修辞も口実もない言葉づかいです。パパ・フランシスコは現代の人間が体験している諸問題の中核に行き、教会に関しては、ただそこにいるということよりもずっと多くを強く求めています。教会には勤勉で計画だった活動と新しい宣教活動をもってその献身を表明するような、新たにされた司牧実践が求められています。福音はあらゆるタイプの疎外なく、すべての人々に届かなければなりません。そうは言っても、特に重宝される人たちもいます。勘違いを避けるために、パパ・フランシスコはその指導のことばでこう提示します。『お金持ちの友達や近所の仲間というよりも、むしろ特に貧しい人たち、病気の人たち、しばしば軽視されている人たち、忘れ去られている人たちです。このあまりにはっきりしているメッセージが弱まるような説明を支持するような余地はありません』(48)と」。

 聖座ソーシャル・コミュニケーション委員会議長の指摘によれば、パパ・フランシスコがコミュニケーションの局面について語る部分で、使徒的勧告は、教皇に特徴的な司牧的深みを伴うそのスタイルと話し言葉を保っている。その穏やかで心のこもった、直接的な言葉づかいが、教皇自身が書いているように、「いつもあった真理を、これがいつでもニュースであることに注意を払うことを可能にする言葉づかいで表現される」ように励ましている。また「各小教区がその福音宣教の努めにおいて、過去の財産の続きとして、しかしまた新しい『たとえ話の言い回し』で信仰を伝えるために、現代の広大な多種多様な表現の中でも、様々な芸術表現を用いるように励ますことが望ましい」とも指摘している。

 司教シノドス総秘書のロレンツォ・バルディッセーリ卿は、教皇の最初の使徒的勧告に見られるシノドス的な局面を強調し、ローマ司教がシノドスに参加した司教たちの様々な提案を独自の仕方で取り組みなおし、こうして計画と勧告に満ちた文書を書いたことを取り上げた。 その中心は普遍的性格を伴う境界なき宣教の性質である。教皇はこの使徒的勧告の中でシノドスの諸提案を27回引用しているが、その中で「喜び」という単語を書いている回数は59回に上る。

 司教シノドス総秘書は、パパの招きは存在の中心から外れたところに行くことにあること、ブエノス・アイレスの大司教としての体験、またアパレシーダ文書の編纂における個人的な体験を強調している。ラテン・アメリカやカリブでは司教たちが「民間神秘主義」とも名づけている民間信仰によって豊かにされる司牧体験である。

 ロレンツォ・バルディッセーリ卿によって引き合いに出されたポイントの中には、パパ・フランシスコが取り上げている、福音宣教の社会的側面の世界規模での緊急性もある。それはこの文書に一貫した部分を成しているが、本文にこう読まれる。「続いて、この歴史の時点でわたしには根本的と思われる二つの多いな問題に意識を集中させようと思います。これをかなり広範にわたって発展させようと思うのですが、それは、これが人類の未来を決定するだろうと考えているからです。まず、貧しい人たちの社会への取り込み、次いで、平和と社会的対話です」
(CdM - RV)

0 件のコメント:

コメントを投稿