パパ・フランシスコは世界で最も苦しんでいる国々のために祈りながら、2014年の復活の過越祭の《Urbi et Orbi(ローマと全世界へ)》を、その祝福と共に締めくくった。オランダからの花々や植物で花園のように飾られた、サン・ピエトロ広場でささげられた大群衆と共なる聖なるミサの後で、教皇は広場中をパパモビルで巡回し、そこにいた15万人以上の人々にあいさつをし、祝福をした。このほかにも、まだ隣接した通りという通りには、何千もの人々が集まっていた。
教皇のメッセージ全文
«Christus surrexit, venite et videte!(キリストは復活された、来て、見なさい!)»
愛する兄弟姉妹の皆さん、復活祭おめでとう!
天使たちの女性たちへのあいさつは全世界に散らばっている教会にこだましています。「恐れることはない。十字架につけられたイエスを捜しているのだろうが、あの方は、ここにはおられない。・・・復活なさったのだ。さぁ、遺体の置いてあった場所を見なさい」(マタイ28章5-6節)。恐れることはない!主は復活なさったのだ!これは福音の頂点です。これは最高に良い知らせです。イエスが、あの十字架にかけられた方が、復活なさったのです。この出来事はわたしたちの信仰とわたしたちの希望の土台です。もしキリストが復活しなかったならば、キリスト教の意味はなくなるでしょう。教会のあらゆる宣教使命には活力がなくなるでしょう。つまりここから始まり、ここからいつも新しく再出発するのです。キリスト者たちが世界に運んでいるメッセージはこれです。イエスは、受肉された愛そのものですが、わたしたちの罪のために十字架上で死んだけれど、父である神がイエスを復活させ、いのちと死の主人として立てられたのだ、と。イエスにおいて《愛》は憎しみに勝ち、憐みは罪に勝ち、善が悪に勝ち、真理が偽りに勝ち、いのちが死に打ち勝ったのです。
このためわたしたちはすべての人々にこう言うのです。「来て、見なさい」。脆さ、罪、死によって刻まれたあらゆる人間の状況において、良い知らせは単なる言葉ではなく、無償で忠実な愛の証しなのです。他者との出会いに向かって行き、人生の歩みの中で傷ついた人々の側にいて、必要なものに欠けている人々と分かち合い、病人や老人、除外された人々と共に留まるために、自分自身から出ていくことなのです。「来て、見なさい」、愛は一番強いものであるということを、愛はいのちを与えるのだということを、愛は砂漠に希望の花を咲かせるのだということを。
この歓喜に満ちた確信をもって、復活された主よ、今日あなたに心を向けます。
わたしたちが全員、あなたに出会い、ひとりの御父がいるということを知ることができ、孤児としての感覚を抱くことから免れられ、あなたを愛し、礼拝することができるように、わたしたちにあなたを求めさせてください。
しばしばわたしたちが共犯となっている、対立や計り知れない浪費によって刻まれた、飢餓のむち打ちを崩せるようにわたしたちを助けてください。
わたしたちが、無防備な人々、特にしばしば搾取や放棄にさらされている子供たち、女性たち、高齢者たちを保護するための心構えを持つことができるようにしてください。
わたしたちがギニア・コナクリ、シエラレオニ、リベリアで、エボラ出血熱におかされている兄弟たち、そして不注意と極貧のために広まっているさまざまな病気に苦しむ人々を治療することができるようにしてください。
今日、不正にその愛から抜き取られたために、愛する人々と復活祭を祝うことのできないすべての人々、そして世界の様々な場所で誘拐されている多くの人々、司祭たち、信徒たちを慰めてください。
よりよい実りを望むことができる場所に移民し、その人生を尊厳を持って送り、しばしば、その信仰を自由に表明するために自分の土地を後にした人々を励ましてください。
栄光に満ちたイエスよ、あなたに嘆願します。あらゆる戦争が終わりますように。大小さまざまな敵意、古くからの敵意も、最近生まれた敵意もなくなりますように。
愛するシリアのために哀願します。対立の結果を苦しむ人々が必要な人道的支援を受けることができますように。特に非武装の市民の間で、このきっかけとなっている諸派が、死の種をまくような武力を用いるのをやめますように。そしてずいぶんと前から心から切望されている平和を何とかして承諾していく勇気を持ちますように。
栄光に満ちたイエスよ、あなたに願います。イラクにおける兄弟殺しの暴力の犠牲者たちを慰めてください。そしてイスラエル人とパレスチア人の間でのやりとりを再開するようにしてください。
あなたを呼び求めます。中央アフリカ共和国における対立に終止符が打たれますように。ナイジェリアのいくつかの地域におけるテロリズムの残虐な攻撃と南スーダンでの暴力を止めてください。
そしてベネズエラのために祈ります。熱心に、和解と兄弟的和合に向かって歩みますように。
ユリウス暦に従っている諸教会と共に今年祝っているあなたの復活によって、ウクライナにおける平和のイニシアティブを照らし、霊感を与えてください。そうして関連の地域全体が、国際共同体の支えによって、暴力を妨げるためのあらゆる努力を実現し、一致と対話の精神をもって、国の未来を建設し、彼らが、兄弟として、《Christus surrexit, venite et videte(キリストは復活された、来て、見なさい)!》と叫ぶことができますように。
《Christus surrexit, venite et videte(キリストは復活された、来て、見なさい)!》
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